あれから3年の歳月が経ちました。それに関連して、市民シンポジウム「3.11 復興の現場から明日を考える」があり、拝聴して参りました。復興支援プロジェクトのリーダーをされていた方の講演からは、言葉にならないご苦労も伝わってきました。当然、広大な範囲を復興する訳だから、ボリューム的な問題だけでもさる事ながら、予期せぬ問題が発生することもしばしばで、管轄が国と県に分かれていることで手続きがスムーズに進まないケースがあったり、資材価格の変動による入札不調など、様々な問題も加わり、復興にはまだまだ時間は要することでしょう。結局、復興とはどういう状態であるのかという本質的な問題があります。支援をするのも受けるのも人間なのです。状況を伝えようとするマスコミの報道に集まる声が、現場にはプレッシャーとなって巡ってくることには大変な心労があるようです。現場では、誰もが一生懸命に取り組んでいるということを感じました。
復興に携わる現場の方々を含めた被災地の人々のメンタルの問題
東北の復興が、日本の目指すべき方向の道しるべとなればいいと思いながら、3年が過ぎ去ってしまいました。思うだけで何も出来ていない自分に不甲斐ない思いも感じ続けてきました。
また一方で、自分に何ができるかも考え続けてきました。
それぞれの思いがそれぞれのカタチをもって現れる復興、便利性や合理性を表面的に作り出すのではなく、既存のデザインコードで作るのでもなく、今の思いを率直に現すカタチを創る復興こそが大切なのではないでしょうか。
大地震の直後、世界を驚かせたのは、未曾有の状況下で理性的に振舞う、東北の人たちの人を思いやる態度でした。よその標準をここに持ち込むのではなく、現地の人たちが自分たちが創ったと実感できるものを新たに創り出すことが真の復興を意味すると思うのです。そして、それを一緒に創るお手伝いができれば幸いです。
にほんブログ村 建築デザイン
スポンサーサイト